クラッチディスク ジャダー

F/W側のFA摩擦面に片当たりが見られる。

  • 原 因
    • F/W摩擦面の状態が異常。
      (摩擦熱により熱歪が発生、異常摩耗。)
    • F/W面の面振れが大きい。
  • 改善策
    • F/W面を再研磨もしくは交換する。
    • F/W面の面振れ調整。

オイルがFA摩擦面に付着している。

  • 原 因
  • T/M又はエンジン側のオイルシールの異常
    (熱、摩耗による劣化。)によるオイル漏れ。

  • 改善策
  • T/M側・エンジン側のオイルシール交換。

ディスクASSYのダンパー部、摩擦面に金属粉(赤錆)が付着している。

  • 原 因
    • 坂道等で半クラッチ状態での保持を長時間続けることによりPP摩擦面が鏡面化する。
      (この場合、摩擦面温度は上がりにくい。)
    • レリーズコントロール系の戻り不良によるPPの鏡面化。
      (1)レリーズシフターブロック(RBを保持しているケース。)の戻りが悪いか、又は引っ掛かり等の半クラッチ状態になる。
      (2)大型ではブースター内のピストンの偏摩耗によるRBの戻り不良により半クラッチ状態になる。
    • ※注1
      鏡面化とはFA金属粉がPPとFAの間に入り込み、擦り合わされ、PP面が磨かれた状態を言う。

      ※注2
      鏡面化は当たりが良い為、μ(ミュー:摩擦係数)が高くなり滑りにくい事から、スティックスリップが起こり易くなりジャダーを誘発する。
      (一般にジャダーはある程度走り込んで当たりがついてから発生し易い。)

  • 改善策
    • 運転者へのPR。
    • レリーズシフターブロック摺動部にグリース塗布。
    • レリーズコントロール系摩耗部品の交換。

溶けたグリースがFAに付着している。

  • 原 因
  • この例では、粘度の低いグリース(シャーシグリース等)を使用した為に溶け、RPやFA面に飛散し部分的に摩擦面に付着し、摩擦係数のバラツキを誘発した。

  • 改善策
  • 自動車用メーカー指定のクラッチスプライン用グリースを使用。

ディスクASSYのスプライン部に多量のグリースが飛散し、FAに付着。

  • 原 因
  • スプライン部、レリーズシフターブロック部へグリースを塗り過ぎた為に飛散し、FA摩擦面に付着した事で摩擦係数が低下しすべりやジャダーを誘発した。

  • 改善策
  • メインドライブシャフトとディスクASSYのスプライン部にグリースを塗布後、シャフトにディスクASSYを仮挿入しはみ出たグリースを拭き取る。(出来れば2回)

    (注)クラッチは油を嫌います。
    油で汚れた手での取扱いについても絶対に避けて下さい。